今回は小さな家に住むというテーマで書いてみます。
この記事を書こうと思ったのはお一人様の住まいについて改めて考えてみようと思ったのがきっかけです。
私は新築住宅の営業をしていますがお一人様の家を建てることはほとんどありません、ほとんどというか今までで一軒しかまだ建ててません。
その方はその当時37歳だったと思いますが結婚はしないので自分一人の家を建てたいとのことで新築を建てさせて頂きました。
その方に建てた家は2LDKという間取りで14坪ほどの家でした寝室+趣味の部屋と12帖程度のLDKこのような間取りです。
お一人様で住むには十分な間取りと広さです。
でも私が今、自分のためのお一人様の家を建てるとしたらもっとミニマルな生活でコンパクトな家を建て方が良いのではと思いました。
小さな家を建てて生活をするとどうなるかについて書いていきます。
小さな家を建てるのに必要なお金
私が住むのであれば、こんな家で十分と思える間取りを作成してみました。
約9坪の家になります。
9坪×75万円=675万円(税込)
ちょっと安いかなとも思いますが安くなる理由としては
・家の凹凸が少ない(ほぼ長方形)
・キッチンがなく水回りをユニットタイプにしている
・窓が少なく内部の建具が全く無い
簡単に間取りの説明をすると
玄関を入って横にシューズや雨具などを収納するスペース
その反対側がお風呂、洗面、トイレのスペース
この隣が脱衣のスペース、お一人様なので間仕切りのドアなども設けません
この脱衣スペースに小さなシンクと混合水栓を設置して食器など洗います。
私の場合キャンプや登山が好きなので調理器具や食器などはとても少なくて大丈夫です。
キッチンは設けません
調理はどこでするの!?ってなりますがソファーの所でキャンプや登山で使う調理器具で料理をします。料理は栄養を補給するためのものではなくて料理そのものを楽しむためにやるって感じです。
ですから時間の無い時はテイクアウトやスーパーのお惣菜、ウーバーイーツでOK
そして脱衣スペースの反対側には洗濯機、冷蔵庫、
冷蔵庫の上には電子レンジは置くかな
洗濯機はドラム式にして洗濯から乾燥までボタン一つ
リビングスペースにはキャンプで使うチェアーとテーブルを置いて
もはやTVもいらないかも
タブレットとスマホとノートパソコンがあるので使うとしてもTVはモニター的な使い方になりそうです。
その奥の寝室スペースにはダブルベッドを置いて頭の上には棚板を作って季節替えに布団など置けば良い
図面の左側は洗濯機と冷蔵庫以外は全て収納スペース
これだけあれば趣味の登山やアウトドア用品、仕事できるスーツやワイシャツも収納できます。
リビングや寝室の横を土間コンクリートにして登山やアウトドア用品の乾燥場やメンテナンススペースにしたら良さそう
小さな家に住むメリット
・生涯住まいに支払うお金が安くなる
先ずはこれかなと思います。もし40歳でアパートに住んでいて家賃が6万円だとすると年間72万円ここに40年住んだとすると
40年×72万円=2,880万円
先ほどの家を400万円の土地に建てたとすると
*私が住んでいる北陸では少し古い売れ残りの宅地など70坪の広さでも400万円くらいで売ってたりします
400万円(土地)+675万円(建物)+200万円(外構工事、諸費用)=1,275万円
頭金75万円で
例えば1,200万円で住宅ローン 金利1% 返済期間20年
55,000円
総返済額は1,325万円
60歳までには完済です。
これに固定資産税や住宅の修繕費なども考慮すると
40年間で、プラス550万円程度かと思われます。
内訳としては
・固定資産税 400万円
・住宅の塗装費(壁、屋根が板金の場合) 100万円
・給湯器の交換2回 30万円
・トイレ交換 15万円
・混合水栓交換2ヶ所 5万円
住宅総返済額1,325+550=1,875万円
6万円のアパートに40年住むよりも
1,000万円もお得です
建物が小さいと固定資産税も安くなりますし住宅の修繕費用も当然安くなります。
私の住んでいる北陸ではとっても立派で大きな家がたくさんあります。
そのような家は瓦屋根も立派で棟瓦の積み直しをするだけでも100万円は必要な家です。
立派な家を引き受けるの大変ことです。
私が住んでいる町内でも大きな家に住んでいたお年寄りが亡くなった家を解体して分譲地になっていました。5区画販売されてましたので単純に5区画×60坪=300坪の敷地があったことになります。
こんなに大きな敷地と家を相続しても負債でしかありません。
資産価値が高い場所にある土地なら相続しても売却は容易でしょうが私が住んでいる町内は300坪を売りに出しても買い手はなかなか付かないでしょう。
実際、町内の分譲地は3年ほどで完売した様子です。
ちょっと話がずれたかもしれませんが大きな家を持つということは固定費や修繕費が多く必要ということです。
・エアコン1台で快適
光熱費で考えても9坪の小さな家はメリットが大きい。
一般的な北陸の住宅はアパートに比べて断熱性能は格段に良くなります。
最近の住宅は高気密、高断熱。
サッシの性能はアパートと比べて全然違います。
アパートのサッシは断熱性能が低いので冬にはサッシがべったり結露してしまいます。
しかし最近の北陸の住宅はどこの住宅会社もオール樹脂サッシを使っているので結露の心配がありません。
結露をするということは室内の暖かな熱がサッシを通して外に逃げている状態です。
それがないということは裏を返すと断熱性能が高い。
しかも9坪の間取りは一番熱が逃げ易いサッシが2ヶ所しか設けてないので、一度温めた部屋の空気や冷やした空気を保つ力が高いので家全体を快適温度に保てます。
結果として光熱費がお得になるということです。
作成した9坪の間取りだと生活空間が14畳ほどなのでエアコン1台での生活空間は十分快適です。
部屋を分けてしまうとエアコンの数が増えてしまうので初期投資費用も増額となってしまいます。
こちらの間取りだと内部の建具が全くないのもメリットです。
勝手に全館空調となりどこへ移動しても快適な空間です。通常全館空調にするには初期投資費用が多くかかりますが9坪の家で高気密、高断熱だと一日中エアコンをつけていても光熱費はさほど高くならないでしょう。
エアコンは電源を切ったりつけたりする時の電力消費量が多くなるためなるべく点けっぱなし方が良いというのは最近よく耳にする話です。
実際部屋の体感温度は床、壁、天井の温度と部屋の空気の温度との平均となるので仕事から帰ってきて部屋を暖め始めて部屋の温度計は暖かくなっているのになんだか底冷えがするのはこのせいです。
・無駄のものを買わなくなる
昔関東に住んでいた方と一緒に仕事をしていた時に私がお客さんに提案する図面に納戸や押入れなど書き入れていると「何を収納するんですか?」そんなんに収納いるの?的なことを言われたことが何度かありました。
私からしてみるとまだ足らないかもと思いながら図面を作成しているのに
その方にしてみれば無駄な空間に思えたのでしょう。
北陸は土地も大きければ住んできた家が大きいので兎に角収納が足りないと感じてしまい、納戸や押入れを図面に多く作成してしまいます。
以前に私も使わないものや着ていない服をダストボックス2㎥で捨てたことがありました。
捨て始めるとダストボックスはあっという間に埋まってしまいました。
確かに無駄なものを多く持ち無駄な空間を使っていたのだなと思います。
限られた空間であれば無駄なものを持ちようがないし、自分の好きなもの大切なものに囲まれるミニマルでコンパクトな生活は、お財布にもやさく快適な生活になりそうです。
私が小さな家を市場に投入するとしたら
家を持ちたいとはまだ考えていない層に新しく訴求したい
なぜなら既に戸建やマンションの購入を検討している層を振り向かせるのではなく、まだ家を持つことを考えていない人たちに新しい価値観を提供したいと思う。
では、どのような人に提案するか
35~45歳の女性でアパート暮らし
趣味はキャンプや登山、アウトドアの人、読書が趣味って人もいいかも
キャンプや登山、アウトドアが趣味となるとアパートでは手狭になっているだろうし欲しいギアを諦めていたりテントの干場やギアのメンテナンスのスペースも欲しい
そんな方には戸建がいいのではないでしょうか。
また読書が好きな人にも静かでゆっくりと時にはお庭で読書をするいう空間の提供ができそうです。
アパートだと本の収納にも困りそう、私の姉は転勤族で旦那が本好きで本を大量に持っていて困るそうです。で、どうするかというと旦那が出張の時にこっそり捨てているそう。
本好きな人って本を捨てたくないみたいですね。
このような人達にどのような生活を提案するのか!?
登山やキャンプ、アウトドアが好きな人だと山の中や海に近い土地を購入して住みたいと考えるかもしれません。
それは私も素敵な生活だなと思いますが現実ライフラインの問題で上下水道や電気設備が近くにないかもしれません。
また会社員だとあまり会社から離れてしまうと通勤が苦になってしまいます。
そこで私が提案したいのは、古い宅地で家が建てられていない土地を買って土地を2つに分ける
私の住んでいる地域は70坪以上大きさの土地がかなり放置されています。
なぜ?
親が息子や娘のために土地を購入しておいたが、息子や娘が県外で生活の拠点を設けてしまったり県内であっても他の土地で家を建ててしまったすると、その土地は使われないで放置されている状態
そして土地を買った親が亡くなり息子や娘が土地を処分しているケースがあります。
そのような土地を買って2つに分ける
70坪の土地を2つに分けて
35坪
9坪の小さな家だとスッポリ収まります。
土地を分けると片方の土地には上下水道が無い状態なので上下水道を取り出して土地を販売
例えば土地が70坪の土地が700万円だったら
上下水道の取り出しに150万円
分筆費用30万円
(700+150+30)÷2=440万円
440万円(土地)+675万円(建物)+200万円(外構工事、諸費用)=1,315万円
頭金を115万円とすると、先ほどの住宅ローン返済額の55,000円になります。
私も日々お客さんと新築の打ち合わせをしていると住宅ローンの返済が35年で完済が70歳手前ってことが普通にありますが冷静に考えて結構恐ろしい年齢での完済です。
できれば定年前に住宅ローンは完済したいですね。
もし結婚することになったとして他の家に住むことになったとしても小さな家であれば固定資産税もやすいので苦にならないと思いますし、山の中や海などの通勤に不便でないところに小さな家を建てていたなら貸家として賃料を収入にすることも可能です。
このようにライフスタイルの自由度がある小さな家の新しい価値観を提供できればと面白いのではないかな。
まとめ
今回は小さな家を建てらたというテーマで書いてみました。
ちょっと現実的にはどうなんだろう!?
と思いながら書いている部分もありますが、これからの日本は人口が更に減ります
人口が減るということは土地の価格も下落し土地を購入しやすくなります。
現在でも空き家問題があるように土地はどんどん余っていきます。
そして私が住んでいる地方でも所得の格差は大きくなっていくと思います。
ネットで調べてみると平均生涯収入は2億円だそうです。
そんなに稼いでますかね
年収が400万円として45年働いても1.8億円しかなりません。
ということは多く稼ぐ人はたっぷり稼いでいるけど一般的なサラリーマンは住宅にたくさんのお金を掛けることができないのではないでしょうか。
そんな私のような一般的なサラリーマンでお一人様であるのであれば、余っている格安の土地を利用して住まいに掛けるコストも小さな家でミニマルにコストを掛けずに生活しながら自分らしく生きていくのも1つの選択肢になっていくかもしれません。
お読み頂きありがとうございました
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