家づくりにかかるお金のすべてがわかる本 書評

住宅


今回は『家づくりにかかるお金のすべてがわかる本』という本を読んでみました。
感想としては、面白かったのと今から家を建てる人は読んでおくとコストダウンのポイントを掴むことができる良い本だと思いました。



良い本と思える点
・実際の設計図面を載せて説明をしているので図面を見ているだけでも楽しい
・ことば辞典として建築用語が分かりやすく解説してある
・建築業界にいる私には取り入れたい方法がたくさんあった
・具体的にコストダウンできる金額が書いてある


序盤は家以外にも、たくさんのお金がかかりますよ的なことが書いてあります。
私が面白いと思ったのは中盤以降です。

コストダウンの方法が文章で書いてあって、実際に設計士の図面が載っていて、その図面を基に説明してあるので分かりやすく理解しやすいと思います。



私が面白いな勉強になるなと思ったものをいくつかピックアップしてみます。

玄関ホールをやや広めにとって、アトリエやギャラリー、プレイルームや作業スペースなどにも使える場所にするのも一案です。こうした空間をほかの場所につくるとなると、その分コストも面積も必要になりますが玄関ホールを有効に使えばコストダウンにつながります。

家づくりにかかるお金のすべてがわかる本

部屋ごとにクローゼットや棚をつくるより、ウォークインクローゼットや納戸のような集中収納を1ヶ所つくるほうがコストはかかりません。ウォークインクローゼットなら扉の数も少なくてすみ、内部も棚やパイプハンガーだけのシンプルなつくりにすれば各部屋に収納をつくるより安上がりです。

家づくりにかかるお金のすべてがわかる本

幅木や廻縁なども家じゅうに施すとコストがかかります。いずれも収まりをきれいに見せるためのものなので構造体に影響はありません。

家づくりにかかるお金のすべてがわかる本

この他にもたくさん書いてあるので興味のある方は買って読んでみるとをお勧めします。


玄関をあえて広くしてスペースを有効活用するのもいいし、扉の数は減らすとかなりコストダウンになりますし、幅木・廻縁などはない方がすっきりした仕上がりの家になるメリットすらあります。




ただ少し残念だなと思った点もありました。

出来れば実際に建てた家の写真やパース図があればもっと分かりやすく、建てる人が採用するかどうかの判断がしやすいと思います。

他にも書斎の本棚を大工工事でと書いてありますが大工工事でするよりも市販の本棚を買ってきた方が本の収納量は格段に多くなりますので私のお客さんには市販の本棚を買っていただくか、お金はかかりますが造作家具をお勧めしています。

メンテナンスことでは外壁の窯業系サイディングを15年程度で一度塗装が必要と書いてますがサイディング自体は20年以上でも雨を防いでくれるので塗装の必要はありません。
見た目のこととなれば10年で塗装をした方がいいです、15年経過していると素材が痛んでいて塗装が出来ない所も出てきたりしますので、私のお客さんに塗装はせずに20年以上経過してから上から金属サイディングを貼ることをお勧めしています。



このように本中身で良い点も悪い点もありますが、今回この本を読んで得るものはたくさんありました。
これからのお客さんとのお打ち合わせで提案してみたい事例がいくつも有りましたし、コストダウンをしながらも満足を上げる家を建てれることを学ぶことができました。



大手のハウスメーカーでは仕様がしっかり決まっていてなかなか細かな要望に応えてくれないと思いますが私が勤めているような地場のハウスメーカーでは、そのへんは柔軟に対応できるのも良い点です。

私の家のお隣の方はアルミメーカーに勤めているに、大手ハウスメーカーで家を建てた時に勤めているアルミメーカーのサッシが標準仕様となっていなかったため、お隣の方の家のサッシは他メーカーのものが使われているそうです。
こんなこともあるんですね。




これからもこのような本に出合えれば仕事がもっと楽しくなりそうです。



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