住宅業界に入ってから、もう17年になります。
いろいろなお客さんと出会いましたが私のなかで
最強の方が若い夫婦さんのお爺ちゃん。
今回は、このお爺ちゃんのとの思い出を書きたいと思います。
最強と思えた3点
①外壁の色が気に入らない
②基礎が思っていたよりも高い
③建築基準法のルールが納得できない
住宅を建てるって長い時間が掛かるんですよね。
展示所をいくつか見て
気に入った住宅会社数社とお話しをして
それで一社と契約
ここから図面の詳細打ち合わせや
コーディネート打ち合わせ
設備機器の選定
電気配線の打ち合わせ
たくさん決めることがあります。
この間、約半年。
早い人でこんな感じだと思います。
今回の若夫婦さんの場合は以前い他の
住宅会社と契約寸前まで話が進んで
いたのですが諸事情により一旦
話し合いを中止したそうです。
その後、私が勤めている会社と契約をしてもらいました。
建築地は、お爺ちゃんの家の敷地を分割しての建設です。
外壁の色が気に入らない
建設地がお爺ちゃんの家が建っている
敷地のなかに建てることでしたので、
図面や外観パースなども、その都度お爺ちゃんには
確認をしてもらっていました。
が、いよいよ間取りの詳細部分も決まり
外観なども決定して一応お爺ちゃんにも
見てもらっておこう若夫婦さんと
お爺ちゃん宅を訪問。
『外壁の色が気に入らない、毎日この色を見て生活したくない』
えー お爺ちゃん、何回も外観パース見てたよね!!
若夫婦さんは、最初からこの紺色の板金の外壁と
決めてたでしょ。
何故に今になって反対。
いやいや、若夫婦さんの気に入ってる色でいいでしょ。
ダメなの?
ここから2時間は話し合いをしたけど結論は出ないどころか
「この家の計画は無しにしろ」とまで言い始める。
後日、改めてお話合いをするも平行線。
では実際に同じような外壁の家をご案内しますので
それを見て改めてお話合いをしましょうとなり。
最終的には若夫婦さんの希望の外壁で
家を建てることができました。
こんなやりとりは外壁だけでなく
土地の分割や下水管の位置、車庫の位置など
いろいろなことで先に進まなくなる事態が
何度もあり、その度にお爺ちゃんと
膝を突き合わせて2~3時間。
若奥さんは、ある時私に電話をしてきて
お爺ちゃんの敷地に建てるのはやめて
建売の住宅を買いたいと言われたこともありました。
そんな気持ちになってしまうのも理解できます。
基礎が思っていたよりも高い
朝8時に基礎業者さんから電話。
お爺ちゃんが基礎の高さが思っていたよりも高いと
言っているのでどうしたらいい?
との連絡。
もう丁張はして掘削も終わり
明日からベースコンクリートを打つ段階でした。
ほとんどフラットな敷地だったので
まさか基礎の高さでお爺ちゃんから
指摘を受けるとは思ってもいませんでした。
とにかく監督も基礎業者さんも困っているので
現場に行ってお爺ちゃんと話をしてみましたが
ダメでした。
客観的にみて誰が見ても基礎はとても良い高さに
設定されていたのに。
結局、7㎝ほど低く基礎工事をすることにしました。
でも、低くすると基礎のベースと立上りのつなぎ目から
水が浸透してくる可能性があり
基礎業者さんに防水部材を付けて基礎工事をして頂きました。
ほんと想定外のお爺ちゃんの指摘でした。
建築基準法のルールが納得できない
これが最大のビックリポイントでした。
お爺ちゃんの敷地を分割して若夫婦さんの
家を建てるのに採光が建築基準法を満たす
ギリギリのところで敷地を分割して確認申請を
だす予定でした。
しかしお爺ちゃんが自分の敷地が小さく感じるので
分割の位置を変えろ、若夫婦側に寄せろとの指示。
いやいやいや、そうすると確認申請が受理されないですけど。
これは困った。
なんど説明しても納得いかない。
計算方法を教えろ。
担当の建築士からも説明させてダメ。
それならと会社の一級建築士からも説明させても
ダメなものはダメ。納得いかない。
結局、分割の位置は一旦、完了検査が終わるまでは
図面通りにピンを打たせてもらって
お引渡し後に、お爺ちゃんの納得のいく所に
改めてピンを打つということで
話が決着しました。
分筆ではなく分割なので
どこにピンを打っても
敷地は全部、お爺ちゃんのものなんですが。
お爺ちゃんとの攻防の終焉
着工してからもお爺ちゃんとは何度もお話をしながら
工事が進んで行くことがありました。
そんな時に「昼飯を食べに行こう」とのお誘い。
そこで聞かせて頂いた話は
敷地内で建設をしているのですが元々、古屋が建っていて
若夫婦さん無償で貸してあげて入居するときには
お風呂を寒くないようにユニットバスにリフォームを
してあげて提供していました。
リフォームをして3年ほどしたときに家を建て替えたいと
言いだし、住宅資金も貯めたのかと聞くとほとんど貯まっていない。
やっぱりお爺ちゃんは心配だったんでしょう。
いろいろなことが心配になり
口を出さなくていいようなことも
言いたくなってしまったんでしょうね。
こんなことも言っておられました。
真面目にコツコツとやってたら2、3年後には
改めて100万円ほど援助してあげたいと。
この時、お爺ちゃんにおごってもらった
2,780円のステーキランチは美味かったなー
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